TAC-PATIENT-VOICE

東方鍼灸院の患者様の感想文

VOICE 03/脊髄損傷

 私は、二つの健康上の問題で悩まされてきました。一つはうつ病で、二〇歳の頃から精神科へ通院し続けています。もう一つは脊髄損傷です。こちらは二三歳の頃、自宅マンションのベランダから転落したことで負いました。その結果、排尿にはほぼ問題がなかったのですが、 排便のほうに障害が残りました。具体的には、便意を催しているのに自力で便を出せないこと、また、それによって腰部に不快なむずがゆい感覚が生じたので す。この感覚は特に午前に強く、物事に集中できなかったり、失禁に対する恐怖心から外出が困難になったりしました。

 当初、精神科で様々な下剤を処方して貰いましたが、全く効果がありませんでした。のちに、ある向精神病薬の「下痢」の副作用が自分の排便に効果があると分 かり、それを服用して朝に排便できていました。排便すれば、腰部の不快な感覚も消えました。が、この薬も量を増やさなければ効果がなくなってきて、ついに は一日の最大処方量近くまで増えても便が出ないようになったのです。これはいよいよマズイと思い立って、二年ほど前、藁にもすがる思いで東方鍼灸院を訪れ ました。

 数回の治療で、便が自力で出るようになったことには、非常に驚かされました。その後、一進一退を繰り返しながらも、現在では毎朝、問題なく排便できていま す。また、便を我慢する力も強くなっており、昨年までは時折自宅で失禁していたのが、今年に入ってからは一度も失禁していません。うつ病のほうも良化しています。まだ睡眠導入剤抗不安薬を服用していますが、今年一月には全ての薬を断っても睡眠・精神状態ともに問題なかったので、更 なる良化を期待しているところです。

 怪我を負ったことがきっかけで鍼灸を知れて良かったという思いとともに、もっと若い頃から鍼灸を知っていれば、という思いも強いです。私のケースが、鍼灸 治療がより広まることの一助になれれば幸いです。

2012年8月 帯広市 男性